【建築】図面を読むために必要な高さに関する略語5選

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建築現場や設計図面を読み解くうえで、高さに関する略語の理解は欠かせません。
特に新人のうちは、「図面に出てくる記号が何を意味しているのかわからない…」と戸惑うことも多いはず。
実際に若手社員から質問の多い項目のひとつです。

この記事では、建築をはじめたばかりの新人がまず覚えておきたい「高さに関する略語」を5つ厳選してご紹介します。
建築現場でよく使われる実用的な略語ばかりなので、ぜひ早めにマスターしておきましょう!

目次

早めに理解しておきたい!建築図面を読むために必要な高さに関する略語5選

こんなに大切な高さ関係の略語表記ですが、意外とあらたまって教えてもらう機会は多くないかもしれません。
この記事では最初に覚えたい5つの略語を紹介していますのでひとつずつ学習を進めていきましょう。

1. TP(Tokyo Peil/東京湾平均海面高さ)

TP(Tokyo Peil)とは、東京湾の平均海面を基準とした高さのことで、「標高」を示すための絶対的な基準値です。
地盤面(GL)や床面(FL)などが、海抜何メートルにあるのかを明示する際に使われます。

特に建築工事では外構計画、土木工事や上下水道工事、公共施設の設計では、このTP基準が重要になります。
設計図面で「TP+○○○〇mm」と表記されていれば、その地点が東京湾の平均海面より何ミリ高いかを示しています。

2. GL(Ground Level/グラウンドレベル)

GLとは、建物を建てる敷地の地盤面の高さを示す略語です。設計GLと呼ばれます。
多くの設計図では、GLが「GL±0(ゼロ)」として設定されることが多く、そこからの上下で他の高さが決められます。

例えば、「1FL=設計GL+200mm」と書かれていれば、1階の仕上げ床面が設計者が設定した地盤面より200mm(20cm)高いということを表します。
設計GLは建築図面の「高さの基準」として非常に重要です。

3. SL(Slab Level/スラブレベル)

SLは、構造床(コンクリートスラブ)の高さを示す略語です。
仕上げ材(フローリングやタイルなど)を含まない構造体としての床レベルであり、構造図や施工図(躯体図)などに記載されることが多いです。

内装の床高さ(FL)と混同しないように注意が必要です。
特に鉄筋コンクリート造の建物では、SLとFLの差=仕上げ厚になるため、現場の納まりを考える際に重要です。

4. FL(Floor Level/フロアレベル)

FLは、建物内の床の高さを示す略語です。
GLとの関係性を示すことで、段差や勾配、バリアフリーの対応などを把握できます。

一般的に、1階の床が「FL ±0mm」や「FL +200mm」などで表され、各階ごとの高さ管理に不可欠な情報です。
現場での墨出しやレベル調整にも頻繁に使われます。

5. CH(Ceiling Height/天井高)

CHとは、床(FL)から天井(CL)までの室内の高さを表す略語です。
加えて、室内で天井や梁が下がっている部分の床からの高さを、下がり天井CH・梁下CHなどと表現します。
「居室の快適性」「開放感」「空調設備の設置」などに直結するため、住環境を考えるうえでも重要な指標です。

たとえば、「CH = 2,400mm」と書かれていれば、その部屋の天井高さが2,400mm(2.4m)ということを表しています。
戸建て住宅・マンション・オフィスビルすべてに共通して使われる略語です。

まとめ:高さ略語を理解すれば図面が読めるようになる!

今回ご紹介した TP・GL・SL・FL・CH は、建築の世界で最も基本的かつ重要な高さに関する略語です。

特に建築設計や建築施工の実務では高さに関する話題が飛びかいます。
いま、何を基準にした高さの話をしているのか
実務でコミニュケーションを測るためにも重要な用語ですので早い段階で理解しておくことが望まれます。

これらの略語を理解することで、以下のようなスキルが身につきます。

  • 図面から空間の高さや構造がイメージできる
  • 墨出し・レベル管理の意味がわかる
  • 現場とのやり取りがスムーズになる
  • バリアフリーや空間デザインの意図が読み取れる

建築現場で信頼される第一歩は、「略語の理解」から。
特に高さ関連の略語は覚えておいて絶対に損はありません!

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この記事をかいている人
  • 著者:ひまり
  • 建設会社に勤務する中堅社員。一級建築士。
  • 若手社員からよく質問されることをまとめています。
  • この記事が建築業界で働くみなさまのちょっとした疑問解決のお役に立てたらうれしいです。
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