【建築】図面の見方。図面から材料を読み取るコツ

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建築業界に就職する建築学生や新入社員・若手社員のみなさんは最初に図面の読み方で苦労することが多いと思います。建築実務では大量の図面を効率よく読み解いて仕事を進めていかなくててはなりません。しかし、意外と図面の見方って教えてもらう機会が少ないものです。この記事ではこれから建築実務をはじめる人向けに図面の見方のポイントをお話していきます。

【 先輩は教えてくれない図面の見方と読み方のコツ 第12回 】

目次

図面から【材料】を読み取るコツ

図面を読むとき、意外と見落とされがちなのが「材料」の情報です。図面には寸法や配置は明記されていても、使う材料の種類や仕様は断片的にしか書かれていないことが多く、「何をどこに使うか」を読み取るには、少しコツが必要です。

今回は、建築図面から材料情報を読み取るための基本と注意点を、新人の方向けにわかりやすく解説します。

材料の情報は図面のどこに?

材料に関する情報は、以下のような複数の図面や資料に分散して記載されています。

  • 仕上表(仕上リスト):床・壁・天井の仕上材や構成を一覧で示したもの。意匠図に添付されることが多いです。
  • 断面図・詳細図:構成の層や下地材、納まりの厚みなどが描かれ、材料の組み合わせを読み取れます。
  • 仕様書・設計指示書:具体的な品番やメーカー、必要な性能(例:耐火、吸音、防水)などが記載されます。

「どの材料を使うか」は、単体の図面を見るだけでは判断できないケースが多いので、図面と付属資料を組み合わせて判断することが重要です。

材料略語を読み解こう

図面には、材料を省略記号で表すことがあります。例えば、

  • GL:ガラス(Glass)
  • PB:プラスターボード
  • SUS:ステンレス鋼(Stainless Steel)
  • ALC:軽量気泡コンクリート

こうした略号は業界共通のものもあれば、会社独自の表現もあるため、最初のうちは「仕上表」や「仕様書」で確認しながら覚えるのが安心です。

材料の読み取りで注意すべきポイント

  • 部位によって材料が異なる:たとえば同じ「壁」でも、エントランスと居室では仕上材が違います。
  • 未記載部分の確認:図面に明記されていない場合は、標準仕様かどうかを確認しましょう。
  • 勝手な代替はNG:類似材料に見えても、耐火性や防水性などに違いがある場合があります。設計者に確認せずに変更するのは避けましょう。

現場での材料チェックのコツ

実際の施工現場でも、材料に関するトラブルはよく起こります。防ぐためのポイントは以下の通りです。

  • サンプル確認:質感・色合いのチェックは現物が一番確実。
  • 納品書や品番の照合:仕様通りの材料が届いているか、現場でチェック。
  • 下地や施工条件の確認:仕上げ材だけでなく、下地の仕様が整っているかも大事な確認ポイントです。

まとめ:材料情報は【図面+α】で補って読む

材料に関する情報は、図面単体では完結しません。仕上表や仕様書、現場の状況など、さまざまな情報を照合して判断する必要があります。

設計の意図や性能要件を理解しながら、確実に材料を読み取れるようになると、施工精度もグッと高まります。日々の図面確認を通して、ぜひ「材料を見る目」を鍛えていってください!

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この記事をかいている人
  • 著者:ひまり
  • 建設会社に勤務する中堅社員。一級建築士。
  • 若手社員からよく質問されることをまとめています。
  • この記事が建築業界で働くみなさまのちょっとした疑問解決のお役に立てたらうれしいです。
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