【建築】図面の見方。図面の裏側にある背景をどう読むか?一歩先を読む施工者の視点

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建築業界に就職する建築学生や新入社員・若手社員のみなさんは最初に図面の読み方で苦労することが多いと思います。建築実務では大量の図面を効率よく読み解いて仕事を進めていかなくててはなりません。しかし、意外と図面の見方って教えてもらう機会が少ないものです。この記事ではこれから建築実務をはじめる人向けに図面の見方のポイントをお話していきます。

【 先輩は教えてくれない図面の見方と読み方のコツ 第13回 】

目次

図面の【裏側】にある背景をどう読むか?一歩先を読む施工者の視点

一歩先を読む施工者の視点

建築図面を読むとき、私たちはどうしても「書いてあること」に意識を集中しがちです。寸法や仕様、納まり、材料、工程…。しかし、ベテランの施工者ほど「書かれていないこと」にも敏感です。

本記事では、図面の【裏側】にある意図や背景をどう読み取り、施工者として一歩先を見通すか。その考え方や実例を交えてご紹介します。

図面は「完成形のスナップショット」

まず大前提として、図面はあくまで【完成形】を示すものであり、【施工手順】や【施工の苦労】までは描かれていないという点を押さえておきましょう。

たとえば、

  • 重機が入らない場所に大きな基礎が描かれていたり
  • 複雑な納まりが「現寸施工」とだけ書かれていたり
  • 仕上がった後に隠れてしまう配管ルートの指定がなかったり

こうした例は、「図面どおり」だけでは施工に支障をきたす可能性があります。図面を【読む】というより【解釈する】という感覚が求められます。

設計の背景にある「意図」を想像する

図面を描いた設計者の立場になって、「なぜこうした配置・仕様にしたのか?」という視点を持つことで、見落としやトラブルを防ぐ手がかりになります。

例えば…

  • 壁が少しズレているのは、柱や配管を避けるため?
  • 柱型が凹んでいるのは、家具の収まりを意識したもの?
  • ガラスが多いファサードは、採光性と景観を優先した結果?

その「なぜ?」を拾い上げることで、設計者とのコミュニケーションもスムーズになります。

書いていない部分にこそリスクがある

設計図は常に完璧ではありません。次のような部分には注意しましょう。

  • 納まり詳細がない場所:「現場にお任せ」なケースも多いので、施工前に打ち合わせ必須。
  • 設備と意匠の干渉:照明や空調など、意匠図と設備図で矛盾が生じやすい。
  • 通り芯と実寸のずれ:図面上で美しく見せるために、実際の施工と微妙に違うことも。

つまり「図面通りにやればOK」ではなく、「図面に書いてない部分に注意せよ」が現場の鉄則です。

現場に出る前に【気づける人】が強い

図面を机上で眺めるだけでなく、実際の現場や施工シーンを思い浮かべながら、

  • 材料はどう搬入するか?
  • 足場はどう組むか?
  • 施工順序は成り立つか?

といった実際的な視点で図面を【読む訓練】をしておくと、トラブルの芽を早期に発見できるようになります。

まとめ:図面の先を読めるかが一流の分かれ目

建築の現場では、「図面を読む力」は単なる情報処理ではなく、「意図を読み取る力」「背景を想像する力」として発揮されます。

特に若手のうちは、分からないことを放置せず、「なぜ?」を繰り返し、図面の向こう側にある設計の思想や現場のリアルを掘り下げる姿勢が大切です。

一歩先を読む力が、あなたの信頼をつくり、将来の現場をスムーズにしてくれます。

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この記事をかいている人
  • 著者:ひまり
  • 建設会社に勤務する中堅社員。一級建築士。
  • 若手社員からよく質問されることをまとめています。
  • この記事が建築業界で働くみなさまのちょっとした疑問解決のお役に立てたらうれしいです。
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